夏の夕暮れ、山のふもとに灯りがひとつ、またひとつとともっていく。
水面に揺れる提灯の光、遠くから聞こえるギターの音、笑い声。
日が沈むたびに始まる小さな魔法──それが「fumottoナイトマーケット」でした。
7月から9月にかけて、50日間にわたり開催された夜のマーケット。
この場所を舞台に、出店者・スタッフ・お客様が一体となってつくり上げた“夜の文化祭”のような時間が流れました。
子どもたちはナイトプールで声を上げ、大人たちはグラスを傾け、出店ブースからはそれぞれの物語が立ち上がる。
夜風に包まれながら、南アルプスの麓の夏が生きていたのです。
みんなでつくった、夜の風景
はじまりは小さな願いでした。
「昼のfumottoとは違う表情を見せたい」「家族で夜を楽しめる場所を」。
その思いに共鳴した仲間たちが集まり、提灯を吊り、音を鳴らし、料理を並べた。照明のひとつひとつに意味があり、ステージの裏には数えきれない手仕事がありました。
この夏は特に“挑戦”の連続でした。
プールを中心にしたナイトイベント、50日間の出店者募集、アーティストたちによるライブステージ、そして週ごとに変わるテーマ。そのすべてが「誰かの夏の思い出」になっていきました。
あの夜に生まれた“ひとつの文化”
出店者の方々から届いた声が、今も印象に残っています。
「子どもが“夜って楽しいね”と言ってくれた」「初めてのお客様と長い時間、話ができた」「光に包まれたfumottoが、まるで映画のワンシーンみたいだった」
その一言一言が、ナイトマーケットを支える光でした。
そして何よりも、お客様の笑顔がこの夜を完成させてくれました。
どんなに準備をしても、最後の一瞬は“人の心”が灯すもの。fumottoの夜は、そんな奇跡が重なってできています。
これからも、夜に灯をともして
ナイトマーケットは終わりではなく、これから続く“文化”のはじまりです。
冬にはまた、光が戻ってきます。
焚火を囲み、温かい食べ物を分け合い、また新しい笑顔に出会う季節へ。
この夏の夜を共につくってくださったすべての方々へ。
ありがとうございました。
fumottoの灯りは、あなたの記憶の中で、これからもやさしく揺れつづけます。